また遊びましょう

とてもお世話になった先輩が先日亡くなった。生前とても仲良くして頂き、楽器関係の事は勿論、家具を作って貰ったり、セッションやったり、酒飲みに行ったり、5年位の付き合いなのだが思い出は沢山ある。何より会う時はいつも元気、というか凄く張りのある声で迎えてくれた人だったから会う度にこちらが元気を貰っていた気がする。そして色んな事を教えて貰った。


昨年の夏頃に体調を崩されて、入退院を繰り返していた。1年弱の長い間の闘病生活は本当に辛かったと思う。お見舞いにも数回伺ったが、自分の状況等もあり頻繁には行けなかった。最後に会いに行ったのは亡くなる1週間前だった。かなり痩せていて、声も張りは無くなってしまっていたけれど、「なんだ、酒でも持ってきたかあ?」といつもの冗談を飛ばしてくれた。色々と近況報告もしたけれど、話を聞いているのも辛そうだったので長居も悪いと思い、「また遊び来ますね。」と伝えてその場を後にした。でも、また遊びに行けなくなってしまった。


自分は、葬儀は親族の方のみで行ったと関係者の方から報告を受けただけだったので病院で最後に会って以来、先輩の顔を見ていない。実際の顔も、遺影も。遺族の方もショックを受けられているとの事なので暫くは伺えない。だからなのか実感が湧いていないのも正直な所少しある。けれども先輩にはもう会えない。思い出が頭の中でグルグル回って、寂しさがグッと込み上げて来そうになるんだけど、亡くなってしまった人の分まで、自分の命が続く限りは懸命に生きねばと思った。その人が見れなかった景色や感覚や感情を、自分がもしあの世に行った時に土産話に伝えて笑い合えればなって思う。また会えるかは確証はないけど、でも会いたいと思ってたら会えそうな気がする。


境を持たず

心眼腐らず

永遠に在らず

懸命に生く


誕生を待ち

旅立ちを待ち

世に往く夜に

光を放つ


今まで本当にありがとうございました。俺がそっち行った時はセッションや飲み会、また宜しくお願いします。


=渡部AL弘道=